農業で一国一城の主に!

氏 名
年 齢
就農地

就農年次




安達 久真(あだち ひさまさ)

31歳
朝日町
平成18年

【自家就農】

― 現在の経営の概要を教えてください。

 株式会社TAGOSAKUは、私、両親と他3名の従業員でやっております。経営面積は、水稲が30ha、大豆が13haです。
 水稲は、てんたかく、コシヒカリ、新大正糯の三種類を作っています。そのうち「合鴨農法」で栽培しているのは、40aほどになります。

― 合鴨農法とは何ですか?

 うちで取り入れている「合鴨農法」とは、水稲無農薬栽培の一環として、田んぼに合鴨を放し飼いすることにより、雑草や害虫を餌として食し排泄物が養分となって稲が育つという農薬・化学肥料を一切使用しない栽培方法です。 なので、小さなお子さんをお持ちの方や安心安全を気にされる消費者の方にとても人気があります。

― 就農までの経緯を教えてください。

 もともとは土木業などをしてたんですが、普通のサラリーマンは自分には向いていないと思い、高校時代に農業科で水稲の生育などを学んだ経験もあり、そろそろ腰を落ち着かせて父の仕事を継ごうと決心しました。

― 就農の前後で、農業に対する思いやイメージに変化がありましたか?

 意外だったのは、農業って瞬発力が必要なんだなということでした。 一年間、ただダラダラやるのではなく、田植えなり、稲刈りなり、今だ!という時に短期間で作業が集中するんです。 だから、最初の頃は普通の会社員みたいに毎週休みがあるわけでもないところがすごく嫌でした。 でも続けていくうちに、自分で仕事をするタイミングを判断して、休みを調整できるようになっていきました。

― 就農してからこれまでを振り返ってみて、特に印象深かったことは?

 やっぱり会社にできたことです。10年ほど前に私が就農したときは、代表は父でしたが、まだ会社ではなかったんです。 平成28年に私が代表になり、株式会社TAGOSAKUを設立しました。
 自分たちのように、農業の世界では若いと言われる世代がもっと増え、一緒に盛り上げていけるといいなと思います。


― 農業の仲間との出会いや、地域の交流やつながりなどについて教えてください。

 この辺りの地域は非常に人と人とのつながりが深いところだと思っています。 JAみな穂管内で朝日町と入善町の若手農業者でつくられている、APG黒東という団体に所属しているんですが、うちの団体はみんなかなり仲が良く、まとまりが良いんです。 私は今、そちらで会計担当をやらせていただいています。 そこで情報を交換したりいろんな知識を入手したりと、本当に為になっています。

― 今後の目標や抱負、新たに取り組んでみたいことはありますか?

 会社の新しい事業として、今年から、ここで作っている新大正糯を使用して切り餅を製造販売する餅加工を始めました。 今は切り餅だけですが、氷餅やおかきのような、餅からさらに発展させていける6次産業にも力を入れていきたいです。
 また、お客様に安全性をより感じていただけるようJASの認定にも取り組んでいきたいと思っています。

― これから就農を考えている方へのメッセージやアドバイスを。

 農業は昔からいわゆる3Kというか、汚い、きつい…等言われてきました。 でも今は環境も待遇も大変改善されて、非常に働きがいのある、魅力的な仕事になってきていると思います。 だから就農された方にはそれをなお、より魅力的にできるように頑張ってほしいです。