新しいスタイルの農家になりたい

氏 名:濱田 智和
年 齢:35歳
出身地:黒部市
就農年次:平成16年



お米の直売をされているのですよね?
 「濱田ファーム」を結成してから、本格的に米直売を始めたのは、一昨年になります。魚津の梨農家の清水さんと家族ぐるみのお付き合いをさせてもらっていて、2年ほど梨の直売の手伝いをしていたんです。そこでお客さんとのコミュニケーションを見たのが、直売を始めたきっかけですね。

直売の良さは?
 実際にお客さんと顔を合わせるのは、お米の配達に行った時が多いのですが、「美味しかったよ」と言われると、すごく励みになりますね。クレームもごくたまにありますが、勉強になります。お客さんの色々な声が、経営のもとになっていますね。お客さんの要望が分からないと、どんなお米を作ったらいいのかが分からないので。農家が思ういい米とお客さんが思ういい米は、全く別物ということもあるのでね。

就農のきっかけは?
  もともと家は兼業農家だったんです。5〜6枚あった田んぼが1〜2枚に減って辞めようかという時に、僕が会社を辞めて帰ってきたんです。手伝いをしているうちに農業をやろうかなと思うようになって、2年ほど高岡市と入善町の農家で修業という形で勉強させてもらいました。農業公社の研修でも世話になり、3年目で新規就農という形で始めました。

濱田ファームを結成した理由は?
 就農してから3年目に、自分の米に自信がもてるようになったのと結婚したことが重なって、一気に盛り上がったんです。それで、濱田ファームを結成しました。僕が代表で父と妻の3人でやっています。1番最初は、2合ほどの米のサンプルを持って、地区内の各家を妻と2人でまわりましたね。

どのような思いを持って仕事を?
 “食はイメージ”だと思っているので、濱田ファームというもののイメージを商品にしたいという思いがあります。今までにないイメージの農家になりたいんです。スタイルのある農家を目指していますね。それが、ロゴマークや名刺や紙袋という形になっています。他にも、ブログを使って日々の農作業の内容を写真付きで説明したり、濱田ファーム便りを作って配布したりして、我々の取り組みを皆さんに分かってもらえるような努力はしていますね。

現在のお米の作り方は?
 農協の稲作暦を応用して作っています。昨年は、無農薬と減農薬の米を作りました。他の田んぼがないような離れたところで、1枚だけ無農薬で育てたんです。その田んぼのあぜをミントだらけにしたんですよ。虫がよりづらくなるといわれているので。あぜに草も生えにくくなるんです。で、作ってみたら、斑点米も病気もほとんどなかったので、今年もやろうかなと思っています。関東にお客さんが結構いるので。ただ、選択肢の一つとして作っているだけで、全部を無農薬にしようとは思っていないですね。

米作りに対する思いは?
 米の品質を上げるには、常に努力していかないと。世の中には色々な作り方があるようなので、そられを少しずつ試しながら、1番やりやすくて、いい米ができて、収量があってというものを見つけたいと思っています。

モットーは?
 “楽して農業”がコンセプトの一つなんです。身体も機械も一つしかないので、いかに手を使わないか、いかに効率良く要領良く仕事をするかを考えていますね。怠け者のようにとられると思いますが、毎日朝から晩まで田んぼで仕事をするのが百姓という概念は僕の中ではちょっと違うんです。それに、健康で長く続けていきたいので、休みをきちんととれるようにしたいですね。

将来の夢は?
 今は直売の割合が50%ほどなのですが、将来は100%を目指しています。濱田ファームのお米をなるべくたくさんの人に食べてもらいたいですね。

新規に就農する方にメッセージを
 大変なのはどの仕事でも一緒なのでね。どうしてもやりたいのなら、やる気をもって頑張っていってほしいなと思います。
■現在の経営状況
水稲 約10ha
大麦 約3ha

■将来の経営構想
・品質の改善・向上
・直売の割合の拡大


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