消費者に信頼される生産者でありたい

氏 名:橋爪 央樹 
年 齢:31歳
出身地:南砺市
就農年次:平成17年



就農のきっかけは?
 親は園芸の仕事をしていますが、親とは違う仕事に就きたいと思っていたので、ホームセンターで働いていました。そこで販売の仕事をしているうちに、物を作って売るということは親の仕事と一緒だということに気づいて。農業にもチャンスはあるんじゃないか、ビジネスとしてうまくやっていけるんじゃないかと思い始めて、家の仕事に面白さを感じるようになりましたね。それから、約1年後に退職して家に帰ってきました。

主に何の栽培を?
 野菜苗と花苗がメインで、僕と両親で作っています。祖父母は元気なので、畑の担当。畑が始まったら祖父母のできる範囲内でやってもらっています。残りのスペースは3人でやって、よっぽど忙しい時は臨時でパートさんに来てもらっています。

ご両親との役割分担は?
 3人がほぼ全部一緒にまわらないとムリなので、作るうえでの分担は特にしていません。ただ、パンジーは僕が窓口になって、段取りなどをして責任を持って出荷しています。菊祭り用のポットは、父が窓口になって数を決めたりしています。誰々のハウスというのはありませんが、その仕事によって窓口になっている人が責任を持ってやるという形ですかね。

今、力を注いでいることは?
 去年の春に温室を増やしたんですよ。以前はスペースが限られていたこともあって、手一杯な感じだったので。今は、親と相談しながら、仕事の中身ややり方を少しずつ変えつつあるところなんです。もう少しいいやり方を探しながら、今まで足りなかったものを増やしたり、新しい取り組みをしたりしています。すると、営業に行かなくても向こうから話をいただいたりして。

研修は受けられたのですか?
 受けていないので、分からない時は近所の同業の人たちに聞きに行っています。みんな親切に教えてくれますよ。それと、県の花生産者グループに加入しているので、その仲間に聞くこともありますね。そのグループで大阪に出荷する中に自分も参加させてもらっています。ただ、そのグループの品質に合う物を作らないと、仲間に入れてもらえないじゃないですか。だから、それに合うものを作るために相談したら、的確にアドバイスしてくれます。色々な人が教えてくれるので有り難いですね。

これからの目標は?
 今は、3人で効率良く作業できる仕事量を知るための実験段階なんです。より機械化することが必要だと思っていますが、過剰投資になるのはいけないので、適切な生産量を見極めながらやっていきたいと思っています。就農当初は法人化して会社にしようという思いも少しはありましたが、時代の流れなどを見ながら取り組んでいくことも必要なのではと思うようになりました。今は色々なものを試して、これでいけると判断できたら、少し範囲を増やしてみるのもいいだろうし、様子を見ながらですね。

園芸にかける強い想いを
 これだ!という想いをもって仕事してないからな(笑)。ただ、消費者に信頼される生産者でありたいなと思いますね。春の野菜苗は半分以上ここで売っているので、信用をなくしたら終わりですよ。それが、うちが今まで築いてきた強みなので1番大事ですね。わざわざ足を運んでくれる人には良い物をあげたいなと思います。卸で買ってもらうお店も、そこのお客さんも同じぐらい大事なんですけどね。お店では「橋爪園芸が作りました」と貼ってもらっているので、お客さんからは顔が見えるじゃないですか。下手なことはできないなと思うし、販売店さんも将来にわたって信頼してもらえるお店でありたいと願っている事と思いますね。

新規に就農する方にメッセージを
 定期的な休日はないし、自由な時間も少ないと思いますが、やったらやっただけの結果が返ってきます。挑戦したいという気持ちがある方はやり甲斐があると思いますね。逆に、何もやることないから農業しようかなというような安易な気持ちで農業に就くのはやめた方がいいと思います。

■現在の経営状況
 施設面積 1000坪×3回転
(温室・ビニールハウス11棟、作業棟1棟)

■将来の経営構想
・適切な生産量を見極める
・お客様とのより確かな信頼関係


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