自分たちで農家レストランを開くのが夢

氏 名:廣川 一郎
年 齢:33歳
出身地:三重県
就農年次:平成11年



就農のきっかを聞かせてください
 三重県出身なのですが、大学進学を機に富山に来ました。農業には関係のない経済学部で、実家も農家ではなく、農業には縁遠い私でしたが、この会社「ファームズエンジニア福光」の社長の家に婿入りしたのがきっかけですね。 

会社では何の栽培をしていますか?
 米と麦、大豆、かぶら寿し用の早生大かぶ、露地ネギも少し作っています。ネギは、去年ぐらいから自分たちで売れる分だけ作ろうということで、5畝歩ほどの田んぼで農薬や化学肥料を使わずにこだわって作っています。野菜はほとんど作ったことがないので、勉強しながらですね。でも、「スーパーのネギとは違って美味しい」と言ってもらえるので、自分たちで売り先を見つけて作れるようになれば、もっと量を増やしていきたいですね。

お米にも特長はありますか?
 米も色々なことをしています。同じコシヒカリでも、会社の要望に合わせて作っているものもあります。ひとつは、一昨年から2haで作っているEM菌。それを蒔いたら病気にならないので、減農薬で作れるんです。また、カルゲン米という、食味を良くするような肥料を蒔いて作っているものもあります。それらは会社に購入してもらっているのですが、それとは別に昔から美味しい米が育つと言われている山本地区でも米を作っていて、自分たちで飲食店や個人客に小売りしています。

普段から心がけていることは?
 私たちの原点は、地域があって初めて仕事をさせてもらえるということ。他のお客さんから田んぼを借りて作付けをしているわけですから、その田んぼを周りから見てかっこいいと思われるようにしなきゃいけない。私たちに頼んだら「いい田んぼにしてくれる」と言われるよう、日々心がけています。


10年経ってみて、いかがですか?
 最初の頃はわけも分からず、言われたままに一生懸命作物を作るだけでしたが、約5年前に水稲部長という肩書きを与えられ、仕事を任されるようになってからは、販路も自分たちで考えるようになり、売ることにも面白味が出てきたかなと思っています。販売がうまくいったら、作り甲斐も出てきて、すべてがいいふうに循環していくのではと感じています。お客さんの声を聞きながら、色々ないい作物を作っていきたいと思っています。そして、同じ面積でも売上高を少しでもあげるようにしたいと思っています。

就農して良かったですか?
 良かったですね。企画から栽培、販売まで一貫して行えることが面白いです。大学で学んだことも活かせますし。特に嬉しいのは、米がうまい具合にできて、それを食べてもらって、おいしかったと言われた時ですね。また、農業を通して様々な人と会う機会も増えてきて、色々と勉強になります。

これから挑戦したいことは何ですか?
 自分たちの作った作物で、農家レストランというか、お店を作りたいなと思っています。生産から加工、販売まで全部できたらいいですね。

先のことを考えるのが楽しそうですね
 半分以上は企画しているようなものなので。社長は何でもやらせてくれますし、それがやり甲斐につながっていますね。昨年、自分たちで話し合いながら、30kg入りの米袋を作ったんですよ。そういうふうに、和気あいあいと色々なことを話し合える仲間もいて、会社にも恵まれていますね。

新規就農する方にメッセージを
 農業はだんだん厳しくなってきたといわれていますが、自分の熱意があれば面白い農業ができると思うので、志をしっかり持って農業に携わっていただけたらいいと思います。


■現在の経営内容
水稲          114ha
作業受託のべ    117ha
大麦          22ha

大豆          27ha
大かぶ         1ha
育苗培土       350t
米ぬかペレット    16t


■将来の経営構想(平成23年以降の目標)
・品質の向上
・安心・安全なものづくり
・規模拡大


社団法人 富山県農林水産公社 
〒930-0096 富山市舟橋北町4番19号(富山県森林水産会館6階)tel076-441-7396 fax076-444-3851