やりたい、と思う気持ちが大事

氏 名:井原 真吾 さん
年 齢:26歳
出身地:上市町
就農年次:平成13年



就農のきっかけは?
 農業は父も兼業でやっているのですが、最初街で働きたくて出ていったんですよ。それで、コンピュータ関係の仕事をしていたのですが、あまりの過酷さに耐えきれず。山も見えないし、自然の中の方がいいな、体を動かす仕事の方が気持ちいいなと思っていたときに、父がちょうど田んぼを拡大しようと言い出したんです。うまくタイミングが重なったのが大きなきっかけですね。

主に何の生産を?
 コシヒカリです。あとは里芋。今年、里芋は無農薬有機で作りました。どちらも技術は父に習いましたが、父はサラリーマンなので、僕1人で色々やっています。「あなんたん米」というブランド米なので、機械だけでは終わらない作業も多いんです。

例えばどんな作業を?
 精米所に行って米ぬかを集めてきて撒いたり、肉資材を撒いたり、普通のお米よりも味を落としたくないので手間暇かけています。農薬は3回だけ撒いているので、細かく水まわりをしていますね。除草剤は1発剤と防除1回と苗の薬が2回で、計3回。撒く時期と水の案配は特にシビアにやっています。

名前は穴の谷霊水にちなんで?
 そうですね。穴の谷には名古屋から来る人が多いから、名古屋中心に発送しています。ここは魚沼と同じような気候なんですよ。魚沼産コシヒカリみたいな味の米ができるので、父がこれはもったいないと、穴の谷霊水の駐車場で試食を始めたのがきっかけで、どんどん口コミで広がっていったんです。その頃は食品衛生法がなかったのでね。今は2ヘクタール全量出荷できるようになりました。里芋は6アール分全部穴の谷霊水の所で直売しています。

里芋の収穫後の過ごし方は?
 スキーのチューンナップやスキー用品の受注販売をしています。在庫は置かずに、注文が来たら発注して安く仕入れるような感じで。スキーの傷を埋める機械もあるんですよ。最初は副業もいいかなということで始めたんですけど、今は注文も増えてきました。


趣味と実益を兼ねているのですね
 農薬を撒くヘリも持っているので。中古だけど、ちゃんと稼ぐし、飛ぶし、全く問題なし。本当は1,000万円ぐらいしますが、タイミング良く200万円ほどで買えて。あまり気張るよりも、やりたいなと思って普通にこなしてれば、勝手にチャンスがくるというような感じで。トラクターもちょっとした整備ならできるんですよ。バイクも好きなので、バイクの整備もやります。ヘリの操作も結局、ゲーム好きの延長みたいなもので。自分の好きなこと、やりたいことばかりやっていると、それが活かされるときがくるんじゃないんですかね。

就農して良かったことは?
 田んぼのない時期にスキーのチューンナップなどが終われば、3ヶ月丸々スキーができます(笑)。1番嬉しいことは、お客さんに直接有り難うと言われることですね。

農業の魅力を一言でいうと?
 自然の中で仕事ができることですね。

今後の目標は?
 父は人と一緒にやるのが苦手なんですけど、僕はそっちの方が好きなんです。なので、僕が主体性ある経営主となったら、誰かと一緒に何かをやろうかなと思っています。今はちまちまやればいいかなと。将来は何とかなりますよ(笑)。

新規に就農する方にメッセージを
 やりたいがなら、やられ。やりたくないことはやられんな、続かんから。農業に限らず、何でもやらないことには何も始まらないので。実践あるのみ、ということですね。自己責任だから、人に言われてやってもうまくいかないですよ。

■現在の経営状況
 コシヒカリ  2ha
 里芋     0.06ha

■将来の経営構想(平成22年以降の目標)
・自然農法


社団法人 富山県農林水産公社 
〒930-0096 富山市舟橋北町4番19号(富山県森林水産会館6階)tel076-441-7396 fax076-444-3851