人間関係の大切さに気づきました

氏 名:稲葉 悟
年 齢:34歳
出身地:上市町
就農年次:平成15年



水稲と大豆の栽培を?
 そうですね。冬場は、里芋。10月頃から雪が降るまでは里芋をやっていますね。

どういう形で経営を?
家族経営で、両親と私と妻と4人でやっています。経営の親方は父で、田植えや稲刈りなどの段取りをやってくれています。僕は機械のオペレーター全般ですね。母と妻は里芋などがメインです。

こちらのお米の特徴は?
 基本的に有機農業に向かうつもりでやっています。たい肥を入れるなど少しずつですが、その方向でやっていこうと思っていますね。安さを求めるお客さんもいますが、安全性を求めるお客さんもいるので。

お米と里芋の出荷・販売方法は?
 農協に出荷するのと個人で直売をするのと2通りです。直売といっても知り合いの方が買いに来られる感じですけどね。お米は3割ほど、里芋は半分以上は直売ですね。里芋に関しては、昔からほしいといわれるお客さんがいるので、ずっと作っているみたいです。お客さんに直接販売すると、実際に食べている人の意見が聞けるので、そういう面は楽しいですね。厳しいこともありますけど、楽しいことの方が多いです。

学校給食にお米を提供されたと、新聞に掲載されていましたが。
 父はもともと地元の人にたくさん食べてもらいたいという気持ちがあったので、たまたま町長さんが里芋を買いに来られた時に、そういう話をしたようなんです。そしたら、上市町の小中学校の給食に1〜2食分のお米を出すという話になって。ちょうど「てんたかく」という早生のお米が新米の時期だったので、喜んでもらえるかなと思って持っていきました。そしたら、子供たちからお礼の手紙が届いて。嬉しかったですね。

就農のきっかけは?
 両親はずっと専業で農業をしていましたが、僕はサラリーマンをしていたんです。次男なので好きな仕事に就いていましたが、その仕事を辞めて何もしていない時期があって。その時に「忙しいから手伝ってくれ」と言われて少しやってみたら意外と楽しくて、それで手伝うようになったのがきっかけですね。

就農されてから学ばれたことは?
 人間関係の大事さを学びましたね。家族もそうですが、外とのつながりがすごい大事だなって。実際、色々な人に助けてもらうので。自分1人では何も進んでいかないんだなと実感しましたね。隣村の井原君という若い農業士と仲よくなって、一緒に無人ヘリコプターをやり始めたのが、そう思うようになったきっかけですかね。

これからの目標は?
 井原君と農産物の加工・販売に力を入れていこうということで、昨年から動き始めました。冬場に2人で漬物や味噌を作って、「上市屋」という名前で販売しています。自分たちで作ったものを美味しく食べてもらいたいという思いがあって。それに、各自で栽培した材料を使って加工すれば、付加価値がついていいかなって。今のところ、直売所で販売していますが、後々は家でも販売できればいいなと思っています。

そういう仲間がいるのはいいですね。
 そうですね。年も何とか近いですし。1人だと新しいことを始めるのがおっくうになるので、仲間がいると心強いですね。

楽しく過ごされているのですね。
 農業は1人で黙々とやるというイメージでしたが、色々な人が遊びに来たり、手伝いに来てくれたり、楽しい部分がたくさんあります。サラリーマンの時より、知り合いや友達が増えました。意外に自由になる時間が多いので、色々なところに出歩けるというのもあって、仕事以外のつながりの人もできたりして楽しく過ごしています。

新規に就農する方にメッセージを
 食べ物を作ることは、誰かがやらなきゃいけない仕事なので、ぜひ農業をやってもらいたいという思いはあります。興味があれば、やってみる価値はあると思いますね。

■現在の経営状況
 水稲(大豆・里芋を含む) 約15ha

■将来の経営構想
・有機農業
・農産物の加工・販売


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