美味しいトマトをたくさん作りたい

氏 名:小松 明
年 齢:32歳
出身地:入善町
就農年次:平成13年



就農の動機は?
 石川県小松市の鋼材の小売り会社でサラリーマンをしていましたが、急に何か自分でやりたくなったというか。サラリーマンを辞めてから、小松市で1番ハウスを持っている農家に入ったのですが、そこがトマト農家だったのでトマトの勉強をしました。

トマト専門なのですか?
 帰ってきた時に、新しいハウスでトマトを始めたので、それからずっとトマトです。妻と2人で作っています。父はキュウリと電照菊を中心に30年ほどやっていますね。

小松さんのトマトの特徴は?
 根の張る場所を制限するという、根域制限方式ですね。プラスチック製の大きいプランターみたいなもので完全に隔離するんです。それと、土中に根の通らない水筒を船底状に埋めて根が他に出ないようにする方法の2種類をしています。どちらも水を吸いすぎないので、水の管理がしやすい栽培方法なんです。過剰な水を与えなければ、十分美味しくなるので。僕が作っているのは、普通の大玉トマトで少し甘いぐらい。フルーツ感覚じゃなくて、野菜としてのトマトですね。他と違うものを作りたいなと思ってまして。


1番難しい部分は?
 水と肥料の関係ですね。木を作る栄養成長と、実をならす生殖成長というのがあって、稲はその2つがハッキリ分かれているのですが、トマトは同時にやるんです。なので、木が大きすぎると実がならない、実がなりすぎると木が育たない、木が育たないと次の花が咲かない。そのバランスを見極めながら、かつ適度な水を与えるという、その加減が難しいですね。

出荷先は?
 市場を通していますが、売り先は県内のアピタですね。1年間で全店まわれるのは、春の1番忙しい時の約2週間だけで、あとはほとんど魚津などの3店舗ですね。1/3ほど出せない規格のものがあるので、それは家の前や近くのスーパーの生産者コーナーで販売しています。

周辺でトマトを作っている人は?
 富山県全域に少ないのですが、特に東部の方が少ないですね。しかも、似たような作り方をしている農家が近くにないので、何か困った時には自分で求めて行くしかありません。でも、朝日町の方に1〜2人いるので、その人たちと話をすることもあります。

若い農業者団体の会長を務められているとか?
 APG黒東という、朝日・入善の概ね36歳以下の青年農業士の団体です。就農した人は大体入りますが、特に入善は100%入っていますね。入っても嫌なことはないし、入って当たり前というところがあるから。専業農家だけで若いものだけという団体は、APG黒東だけなので、親近感のある人ばっかりですね。

どのような活動を?
 年間を通じて行事がありますが、1番大きいのは農業祭という農協の祭りですね。みんなで栽培したものを共同販売します。他には、年に1度の県外研修や全国大会の意見発表など、色々な活動をしていますね。

そのグループの良さは?
 異業種の場合は考え方が違う分、刺激を受けますね。それに、仕事だけしていたら、家の中にこもってしまって、農業の社会を広く見ることができなくなると思うんです。なので、みんなで地域の農業について話をしたり、考えたりしながら、勉強できるところですかね。

これからの目標は?
 今はお店からの要望に応えるのに精一杯ですが、栽培技術を上げてもっと美味しいものをたくさん作るようになりたいですね。ハウスごとに味にバラつきがあるので、全部同じような味にして富山県全域に行き渡るようなトマトを作りたいと思っています。

新規に就農する方にメッセージを
 栽培技術を確立させることと経営感覚が必要ですね。一般的に考えたら、これからの農業は外に出て色々な情報をつかんで、経営感覚や販売手法、仲間作りなどを意識しながら、仕事をした方がいいと思います。

■現在の経営状況
 施設面積 40a×2回転
 
■将来の経営構想
・品質の向上
・収量の増加
・栽培技術の向上


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