足元を固めていきたい

氏 名:窪田 和弥 さん
年 齢:27歳
出身地:南砺市
就業年次:平成11年



主に何の生産を?
 水稲を中心に、転作で麦、大豆、複合経営で干柿、加工用のカブを作っています。

その労働力と、それぞれの役割は?
 祖父母、母、僕、従業員1名、研修生1名の計6名です。ほとんどが僕の担当で、外仕事と経理をやっています。母は機械に乗る以外のことはすべてやっていて、祖父母は高齢なので柿にだけ携わっています。基本的に外仕事は若い男の仕事にしていますが、中の仕事は祖父母やパートさんでやりくりしていますね。

就農の動機は?
 僕は次男なのですが、長男が東京に行ったきり帰ってこないので、親が心配になって僕を無理やり(笑)。なので、自分で興味を持って始めたわけではないんです。機械関係の大学か短大に行きたかったのですが、結局農業の方に進みました。

就農当初の状況は?
 どうせやるなら野菜をやりたい、と親に言っていたので、研修生を1人入れて父と2人にして、僕が野菜の研修に行くという話をしていたんです。でも、僕が始めて3年目に父が亡くなってしまったので、家を空けられない状態になってしまったんです。そのため野菜の研修には行けず、いつの間にか水稲中心になってしまいましたね。

ご自分で20haほどの段取りを?
 そうですね。ただ、父が他界する前の3年間、父からかなり厳しい教育を受けたので、それが良かったんじゃないですかね。僕が農業を始めて2年間は親の下でやっていて、残りの1年間は父が入院していて、家に居なかったんですよ。その間は自分の考えで動かなきゃいけなかったけど、分からないことは病院に行けば教えてもらえたので。そういう期間があったから、今も続けられているんじゃないかと。それに、母が窪田農産の代表なので、多少気が楽なんです。といっても、母も僕より本格的に取り組んだのが、1年早いぐらいだから、よく分からない者同士で言い合いしながらやっているんですけどね。

お父さんから教わった中で、特に心に残っていることは?
 機械仕事をきれいにやれ、とよく言われました。そうすれば、お客さんに喜ばれて仕事が増えるから、雑なことはしてはいけないとも言われましたね。その教えはずっと気をつけていることですね。

農業の魅力は?
 大変な面が多いけど、自分のペースでやれるのがいいですね。責任が全部自分に返ってくることもやり甲斐につながっています。多分、他の仕事はできないんじゃないですかね。

農業関係の情報の仕入れ方は?
 分野は違いますが、呉東に同じ頃に農業を始めた友達がいるんですよ。その友達は親とは別に自分で一から野菜を作っているんです。たまに会って話をするぐらいなんですけど互いに競い合っているような形になっていて、いい刺激を受けています。

将来的な目標は?
 水稲は集落営農化に伴って、面積を拡大することが難しくなってきました。なので、下手に手を広げて雑な仕事をするよりも、今の規模でより良いものを作って、自分らの足元を固めていきたいと思っています。今後は農閑期を埋めるためにも、野菜を始めていきたいですね。今はまだ、どの野菜にするかも決めていませんが、いずれは野菜に重きを置いていきたいなと思っています。

就農して良かったなと思うことは?
 今までがむしゃらにやってきただけだから、もう少し経てばそう思えることもあると思いますが、今はまだ覚えることがいっぱいで大変。

新規に就農する方にメッセージを
 やる気と挨拶が大事だと思います。その他のことは、後からついてくるものだから。

■現在の経営状況
 水稲 22ha
 大豆 10ha
 麦 6ha
 カブ 60a
 干柿 5〜6万個

■将来の経営構想
・水稲は現状維持もしくは、やや規模拡大
・農閑期に野菜の栽培を始める


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