向上心をもって研究していきたい

氏 名:松本 謙介
年 齢:23歳
出身地:魚津市
就農年次:平成16年



就農のきっかけを聞かせてください
 両親の施設野菜作りを手伝っていた時に、その姿を見て「こんなにやり甲斐のある仕事はない」と思ったのが、農業に興味を持ったきっかけです。実際にやりたいと言い出したのは、高校2年生の頃。当時は進路について考えていたのですが、夕食時に父が言った「自分の作った物に対して100%の自信がある」という言葉が強烈で、やっぱりやり甲斐のある農業が一番いいなと思いました。

高校卒業後、すぐ就農したのですか?
 化学工業系の工業高校でしたので、農業に関することは勉強していませんでした。しかし就農は決めていたので、他の農家に研修に行くことも考えましたが、父の技術を盗んだ方が色々と得られるのではないかと思い、卒業後すぐ自家就農しました。

家族で経営をされているのですか?
 両親、姉、私で、トマトと小松菜の他、水稲も作っています。父から教わったことを覚えて今は私がメインでやっています。特にトマトの味には、絶対の自信があります。土づくりが基本ですね。水などの管理についても、自分の目で見極めながらパイプを張って出すという方法をとっています。

流通ルートはどんなところですか?
 トマトは基本的には市場出荷で、今は魚津市や高岡市にも出荷しています。出荷先がどんどん広がっているので、このままうまくいけばいいなと思っています。小松菜は、UBC出荷組合から富山県内や岐阜県に出荷しています。今はこのような形ですが、いつかは直売所もやってみたいなと思っています。


就農して学んだことは何ですか?
 自分のやっていることに自信を持つこと。そして常にプラス思考で向上心をもって研究していくことの大切さを理解することができました。肥料や農薬には元素記号が出てくるので、高校時代の知識が役立っていますね。工業高校に行っていて良かったなって。何でもつながっているなと思いますね。

日々、心がけていることは?
 消費者が満足できるのは何なのかを常に考えるようにしています。また、極力ムダを省くことも心がけていますね。きっちりやって、休む時は休む。今は休みの時にドライブすることが多く、その途中でハウスを見つけたら、頼んで見せてもらったりしています。でも、休みがないと、色々なところを見てまわることができません。どんな仕事でも同じだと思いますが、研究することは絶対に必要なことなので、そのためにも頭を使う時間は確保したいです。考えないと前に進んでいけませんから。

目標は?
 全ての規模を拡大すること、直売所を設けること、人を雇って経営することが目標です。いずれ法人化にするためにも、面積を確実に増やしていきたいですね。そして、人を雇えるようになってから直売を設けたいです。また、数と品質の安定が必要だと思うので、それをより確実にするために、これからも研究を積んでいかなければいけませんね。

具体的にはどのような研究を?
 新しい栽培方法を見るようにしています。また、業種関係なく色々な人たちと交流をもって話を聞くようにしています。そうすると、意外な考え方などを知ることができるんです。何らかのつながりを意識しながら話を聞いていれば、ヒントが出てきます。反対に、農薬だけにこだわると、視野が狭くなるんですよね。

それはどなたかの影響ですか?
 父の考え方が映っているんだと思います。父は基本的には口で教えるというよりも、見て盗んでいけよという職人気質なのですが、そういう父と一緒に働けることは幸せですね。自分もそういう意志を継いでいきたいなと思っています。

新規就農する方にメッセージを
 どんな時もプラス思考で、色々なものに興味を持って集中していきましょう

■現在の経営内容
水稲          9.5ha
水稲作業受託     6ha
野菜ハウス      35a
トマト          30a

小松菜         55a
ガラス温室       500m2×4棟
大型ビニールハウス 1200m2(1棟)

■将来の経営構想(平成23年以降の目標)
・規模拡大
・直売所の設置
・法人化


社団法人 富山県農林水産公社 
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