もっとうまく、早く、きれいに

氏 名:野上 剛
年 齢:27歳
出身地:富山市
就農年次:平成13年



就農された経緯は?
 大学時代、新規就農の相談会が東京と大阪で開かれていたんです。他県の農業法人に行こうか迷っていたので東京まで行ったのですが、富山県が目についたので、そのブースに入ったら、あっという間に話が進んでしまって。そこで紹介されたうちの1つが、今の中山農産だったんです。なので、大学を卒業してすぐ中山農産に入りました。1年目は研修生で、入った年の2月に農業法人になったので、2年目の4月に正社員になりました。

子供の頃から就農しようと?
 えぇ。両親はずっと農業をやっているので、農業に浸っているというか。家の事情を見てたので、大変な面も知っていましたが、自分に合っているかなとは感じていましたね。

中山農産では水稲を?
  水稲と大豆です。あとは里芋や野菜も少し。常時いるのは社長と奥さんと自分だけですが、年々新しい物に取り組んでいます。

担当は多いのですか?
 水稲の水管理以外は、ほとんど任せてもらっているような感じです。稲刈りや田植えの他にも、除草剤を散布したり、田んぼの中の草をとったり。他には里芋の植え付けや防除など。あとは、機械の構造が勉強になりましたね。今ではコンバインの整備もできるようになりました。部品だけ取り寄せて全部やっています。

今までを振り返ると、いかがですか?
 よくやってるなと自分でも思います(笑)。仕事の辛さは分かっていたつもりなのですが、改めて辛いですね。何でこんなに苦労してやってるんだろうって、時たま思いますもん。でも、とれたものが良くできていれば嬉しいですね。

悩んだ時は誰に相談を?
 高岡の青年農業者協議会に入っているので、そこの人に相談することはありますね。

その組織で得られたものは?
 稲のことを少し勉強しようということになって、高岡の普及センターと一緒に稲の生育調査をさせてもらったんです。会社の生育が本当にいいのか悪いのかが数字ですぐ出てくるので、悪い部分の改善点が色々と見つかりましたね。それまでは会社の稲の生育しか知らなかったので、他と比較することができたこともタメになりましたね。

中山農産では、小学校の農業体験に畑を提供されているそうですね。
 昨年は里芋だったので、子供たちと一緒に里芋を植えたり掘ったりしました。さらに、里芋の販売も体験してもらいました。子供たちが自分たちで掘ったものを選別して袋に詰めて、産業祭で販売したんです。

子供たちの反応は? 
初めはあまり感心がないように思えましたが、9月から頻繁に来るようになって、小学生が里芋について色々聞いてくるんですよね。普段、何気なく植えていますが、質問されたら答えられないんですよ。逆に勉強になりましたね。そういえば、昨年10月に里芋の畑に行ったら、ペットボトルが逆さまに刺さっていたんですよ。何でだろと思って色々聞いていたら、小学生がペットボトルの中に水を入れて里芋に与えていたらしいんです。学校の先生から里芋は水を好む植物だと教わったもんだから、里芋に水をあげなきゃと思ったみたいで(笑)。

今後の目標は?
 自分で経営する方向に進んでいきたいのですが、まだまだ自分の力では会社を任せてもらえそうにないので、もっと技術面などを高めていきたいですね。もっとうまく、早く、きれいに作業をしていきたいです。これは、社長の教えでもありますね。

新規に就農する方にメッセージを
 農業自体が厳しい時代になっているので、それにも負けずにやっていく信念を持っている人に就農してほしいですね。1年ですぐにできるものでもないので、忍耐が必要かなと思いますね。全部自分でやっていくとなると、最低3年はかかるでしょうから。夢や目標はあった方がいいですね。それに向かって進んでいけるから。


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