手をかけた分だけ、返ってくる

氏 名:小栗 秀介
年 齢:30歳
出身地:高岡市
就農年次:平成17年



就農のきっかけを聞かせてください
 父の代から建築業と農業の兼業農家なので、自然と手伝うような感じになっていました。高校は農業科ではなかったのですが、卒業後すぐに自家就農しました。元々は建築業がメインなので、しばらくは建築をやっていましたが、建築の仕事が減るのに対して田んぼは増えていく一方だったので、農業をやり始めたという感じですね。農業は私にとって日常という感じです。休みがないなど大変な部分はありますが、私自身は、そんなに大変だとは思っていないのかもしれません。

家族経営で主穀作ですよね?
 父、母、兄、私、そして姉がパートという形で手伝いに来ています。父と兄と私は水稲がメインで、転作で麦をやっています。機械に乗ることもあれば、手元をすることもあって役割分担は決まっていません。家族なので、気を遣わずにできるのがいいかなと思います。文句を言い合いながらやっていますよ(笑)。また、去年から、冬場はハウスネギをやるようになりました。始めたばかりなので、扱いには気を遣っています。母と姉には花と野菜をメインにやってもらっています。

ヘリの防除もされていますね
 二塚地区の農協で、ラジヘリの組合みたいなものがあったんですよ。そこで、免許を取らせてもらいました。1〜2年ぐらいヘリの防除に出て、3年目ぐらいに「個人的にヘリの防除をやろう」と父が言い出したのがきっかけで、ヘリを購入しました。最初は反対しましたが、父は何とかなるだろうという感じで投入していくので、それに従いましたね。免許をとるのにもお金がかかるので、免許を持っているのは自分だけなんです。


防除は、1人でどの程度の面積を?
 40haほどあります。今年は何とかまわれたので、そのぐらいの面積なら大丈夫かなと思っています。ヘリを落としたら大変なことになるので、シーズンの最初は緊張します。だから、事故はなるべく起こさないよう、風の吹かない早朝にやっています。風が出始める前、朝の10時か11時ぐらいまではできますが、それより遅い時間はなるべくやらないようにしています。


ハウスネギを始められたきっかけは?
 冬場は収入がないので、農林振興センターの担当者の方に冬に栽培できるものを相談していたところ、ハウスネギを勧められたのがきっかけです。パンフレットをもらって、それに準じて作業をしています。それでも分からないことはありますから、何でも担当者の方に相談していますね。今年はもう1棟増やしましたが、このぐらいの規模ならやっていけるかなと思っています。

農業から学んだことは何ですか?
 天候が良くても悪くても、手をかけた分だけ返ってくるという気がします。それは、やる気にもつながりますね。

これからやってみたいことについて教えてください
 米は有機栽培などを取り入れながら、美味しいと言われるようなものを作らなければいけないと思っています。出荷先も農協だけでなく、個人にも直売のような形で広げていけたらいいなと思いますね。米は安くなっているので、特長をつけて値段を下げずに買ってもらえるようなものを作りたいと思っています。これに関しては、家族みんな同じ考え方です。また、育苗用のハウスを花などに活用できたらいいと思っていますね。ただ、ハウス1棟はやったことがないので、水稲の時期と被らない種類を選ぶなど工夫が必要です。3〜4年はうまくいかないかもしれませんが、色々やっていかないといけないですね。

新規就農する方にメッセージを
 最初はなかなかうまくいかないと思いますが、やっていれば何とかなると思いますので、あまり焦らず、気負わず、ゆっくり、のんびりやればいいんじゃないですかね。でも、中途半端にはしない方がいいと思います。

■現在の経営内容
水稲          16ha
麦            7ha
ハウスネギ      5a×1回転
防除          100ha


■将来の経営構想(平成23年以降の目標)
・水稲の面積拡大
・お米の直売に力を入れる


社団法人 富山県農林水産公社 
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