子どもとの長い時間が力になる

氏 名:大平 真也
年 齢:31歳
出身地:富山市
就農年次:平成15年



就農のきっかけを聞かせてください
 家が専業農家なので、いずれは跡を継がなければいけないなと思っていました。ただ、中央農業高校では造園を専攻していたので、農業関係の勉強は全くしていなかったんです。その後、造園の専門学校を卒業してから、造園業の会社に就職しました。当時は造園の道に進もうと思っていましたが、巷では「農業者の担い手が少ない」「これからは農業の時代だ」と言われていました。そこでインターネットや雑誌で調べてみるうち、これからは農業が本当にいいんじゃないかなと思いはじめ、3年ほど勤めていた会社を辞めて家業を継ぐことにしました。

現在は家族で経営をされているのですか?
 両親と私の3人で水稲種子、水稲、大麦種子、大豆種子、一般大豆、施設園芸をしています。私が就農した時は、人数的に規模としては小さいということで、色々なところに声を掛けて田んぼを増やしました。また、就農した時に「家族経営協定」を結び、父は施設園芸、私は種子をメインとした主穀作という棲み分けを家族内で行いました。初めの頃は父につきっきりみたいな感じでしたが、今は1人で責任を持って主穀作のすべてに取り組んでいます。また、収入もきちんと取り決めています。昨年11月には認定農業者の申請を提出して、認定農業者として市から認められるようになりました。認定農業者になれば、融資など色々なメリットがあります。

種子の難しいところは何ですか?
 ほ場審査といって、違う品種の水稲が混ざるのを防止したり、稲の病気などを調べるために県の方が来られてほ場の検査をするんですよ。翌年の種を作っているわけですから、病気にかかっているものを消費者に届けるわけにはいきません。なので、品質管理がものすごく大変。その審査をクリアしないと、種にならないので、すごく気を遣いますね。今まではクリアしていますが、倒伏すると、もうダメなので。

近くに、若い人で種子をやっている人はいますか?
 あと2人いますが、そちらは完全な主穀作経営なので、うちのような複合経営はいません。ただ、その2人とは農協の青年部で一緒なので、意見を交換することも一緒に勉強をすることもあり、仕事に役立つ情報を入手することができます。青年部では、多くの人たちに少しでも種子に興味をもってもらうために、近くの小学校でバケツで稲を育てる教室を開いたり、8月の最終の土・日曜にグランドプラザでバケツ稲を並べてイベントを催したりしました。また、お米はどうやって作るのかという、食育に通じるような活動をしています。知らない子どもさんにとっては、いいことだと思います。


就農されて良かったですか?
 良かったですね。とにかく自由。自分の好きなように仕事ができます。また、収穫する時も作物の生育を見ている時も、毎年同じようでいて違うところも見えてくるようになりますし、毎年毎年勉強みたいな感じも楽しいですね。あと、5歳と2歳と0歳の子どもがいまして、サラリーマンだと残業などで寝顔しか見られないという話を結構聞きますが、私はそういうことがなく、一緒にいられる時間が長いので、それが力になりますね。

これからの目標は?
 水稲は就農当初より5倍増やしましたが、経営規模的にまだ物足りないので、水稲だけでなく全般的に拡大していきたいと思っています。ここは種子の産地ですが、高齢化が進み、田んぼがいっぱい空いているので、そういったところを使って拡大していきたいです。そして、ゆくゆくは法人化を目指しています。

新規就農する方にメッセージを
 皆さん色々な思いで就農されることと思います。辛いこともあると思いますが、最初の気持ちを絶えず思い出しながら未来に向かって進めば、きっといいことがあると思いますよ。

■現在の経営内容
水稲種子        約8ha
水稲          2ha
大麦種子       5ha
種子大豆       6ha

一般大豆       3.5ha


■将来の経営構想(平成23年以降の目標)
・規模拡大


社団法人 富山県農林水産公社 
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