果樹と野菜を広めていきたい

坂井 真信さん 氏名:坂井 真信
年齢:30歳
出身地:立山町
就業年次:平成12年

就農された経緯は?
 東京の農業系の大学を卒業してすぐに、立山町の農事組合法人「たてやま営農組合」に入りました。

いつ頃から就農する考えに?
坂井さん 18歳の時だったかな。高専を3年で辞めた後、たてやま営農組合で手伝いをしていたのですが、その時に「専従にならないか」という話をされたのがきっかけですね。それから大学に行って、またここに戻ってきました。

お父さんはこの組合の代表とお聞きしていますが
 そうです。この組合には全員で20人いますが、父と自分を含む3人だけが専従者として勤めているという形です。

ここでは、主穀作と果樹を栽培されているそうですね
 米はコシヒカリ、てんこもり、てんたかくを作っています。これまでは米中心でしたが、今は果樹と野菜に力を入れています。果樹はモモとリンゴ、野菜は飛騨高山の加工用の赤カブと水菜を作っています。昨年から里芋も本格的に始めましたね。

モモはいつから?
 平成16年に植え付けることから始めました。そして、昨年、初収穫したんですよ。天気に恵まれたこともあって、新鮮で美味しかったですね。本当は直売しようと考えていましたが、収量が少なかったので、ほしいという人にだけ販売しました。

モモに名前はついているのですか?
 みんなでずっと相談しているのですが、なかなか決まらず、まだ正式決定はしていないですね。

リンゴの状況はいかがですか?
 リンゴは平成18年に植え付けたので、来年から収穫できますね。

坂井さんは何の担当を?
 果樹は責任を持って取り組んでいます。米や大豆はみんなで育てているような感じですね。あとは経理や総務なども担当しています。

そういう仲間がいるのはいいですね
 そうですね。年も何とか近いですし。1人だと新しいことを始めるのがおっくうになるので、仲間がいると心強いですね。

果樹を育成するうえで大変なことや、逆に楽しいことは?
 大変なのは、春先のフェーン現象の時。風によって病気が広まるんですよ。風が止んで雨が降り出す前に農薬をうまく散布することができればいいのですが。楽しいというか嬉しいことは、収穫して味が良かった時ですね。

今後のビジョンは?
坂井さん 食品問題があったことで、今後は直接の取引が増えてくると思うんです。なので、米に関しては、その要望に応える必要があるのかなと思っていますね。あとは、他の産業との連携を大切にして、野菜や果樹を広めていきたいですね。それに加えて、野菜や果樹のお金にならない部分を有効利用できればいいなとも思っています。いずれにせよ、今は個人客相手に販売できるものを持っていないので、そういうものを作るところから始めていかないと。その後、うまく販売していくことができればいいなと思っています。

就農して良かったですか?
 仕事は楽しいですね。蒔いた種が芽を出して、育てるという過程が。失敗を繰り返さないよう、次の方法を考えることが、いい結果につながることもあるので、楽しくやらさせてもらっています。そう思えるようになったのは、就農から3〜4年経って、ある程度責任を与えられるようになってからですね。

新規に就農する方にメッセージを
 “やってみる”ということが大切だと思うので、まず行動を起してほしいですね。それから、現状で満足せずに、現状を良くしようという努力をしてもらいたいですね。

■勤務先「たてやま営農組合」の経営内容
 水稲 26ha
 大豆 16ha  
 モモ 60a
  リンゴ 60a  
 里芋などの野菜 68a

■将来の経営構想
・平成16年度より新しく植栽してきた果樹(モモ・リンゴ)も21年度より本格的な収穫が見込まれます。細やかな顧客管理、品質管理によりリピーターを増やし、また、米などの他の農産物も商品として提案し、たてやま営農のファンを作っていきたいです。そして今まで以上により高付加価値、高収益な生産・販売体制を整備し、組合員・地域の発展に寄与することを目指します。


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