子供たちに梨づくりをつなげていきたい

氏名:庄司 昌弘
年齢:36歳
出身地:富山市
就業年次:平成11年

ご実家はいつから呉羽梨の生産を?
 ひい爺さんの代から始めたので、100年以上の歴史があります。呉羽には梨農家が300戸以上ありますが、その中では1番古いですね。

学校を出て、すぐ就農を?
 大学を卒業してから会社勤めをしていましたが、先々のことを考えたら、農業の方がやり甲斐があると思ったので、就農を決意しました。

今はご両親とともに梨づくりを?
 そうですね。ただ、昨年に経営移譲を受けて以来、自分中心でまわるようになったので、それ以前とは取り組み方が全く違いますね。どんなに小さくても独立したいと思っていたので、やり甲斐がありますね。

梨づくりにとって、大事な作業は?
庄司さん剪定と枝を配置する誘引作業は、誰にも触られたくない部分なんです。その2つの作業が梨にとって大事な部分で、実る梨が変わってくるんですよ。特に剪定は個性が出る部分なので、農家ごとにやり方が違います。同じような剪定をする人は1人もいません。父ともやり方が違います。

作られている梨の品種は?
 幸水と豊水と新高を作っています。収穫後は直売の他、選果場への出荷、宅急便を行っています。北海道から沖縄まで全国各地でお客さんが待たれているので。石垣島まで送ったこともありますね。

呉羽梨は、梨農家全員がエコファーマーの認定を受けられているそうですね
 環境にやさしくするために、枝を土壌に還元しています。剪定した枝を地面に置き、高速回転する機械で小さいチップにして畑に還していくんです。ただ、太い枝はチップにできないので、薪ストーブに使うなど違う利用方法を考えていきたいと思っています。また、小さい蛾の絶対数を減らす交信撹乱剤を使っています。富山は雨が多くて病原菌が増えやすいので、そういうものを使って減らす努力をする必要があると思っていますね。

経営者として、これから取り組んでいきたいことは?
 今まではたくさん作ってたくさん売るというような手法でしたが、これからは新たな要素をプラスしていきたいですね。例えば、梨の収穫体験や見学ツアー、加工の体験など、梨づくりの過程をお客さんに知ってもらえるようなことをしていきたいと思っています。

ご自身の梨についての目標は?
 品種構成を変えていこうかなと。幸水は売れますが、豊水や新高はそれほど人気がないので、もっと売れるようにしていきたいですね。洋梨など新しいものに挑戦しようかなとも思っています。

他にもやりたいことはありますか?
庄司さん 子供たちに梨づくりをつなげていきたいという思いがあります。こんなに大きい産地なのに、新たに後継者となる人が出てこないんですよ。でも、今の子供たちは、梨に興味があるようで、梨畑に来ると喜んでいますからね。子供たちにとって身近で楽しいものにするために、何か取り組んでいきたいです。

呉羽梨の梨農家に若者はどのぐらい?
 20代は1人いますが、30代は私を含めて3人。あとは40代ですね。

担い手を確保するために、何かされていることはありますか?
 この地区の住民を集めて、勉強会や剪定講習会などを行っています。チラシを作って回覧してもらったり、声を掛けたりしながら、3年ぐらい続けていますね。

新規に就農する方にメッセージを
 仲間が増えるのは大歓迎なので、梨農家にも後継者が育ってくれれば嬉しいですね。信念を持って取り組めば、必ずいい方向にいけると思います。

■「庄司梨園」の経営内容
 日本梨 約2ha
 水稲 70a

■将来の経営構想
 ・面積は変えない
 ・豊水や新高などの販売に力を注ぐ。


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