人とのつながりが大切

高田 定道 氏 名:高田 定道
年 齢:27歳
出身地:小矢部市
就農年次:平成20年



有限会社「耕( たがやす)」に自家就農されたそうですね。
 「耕」は、もともと祖父母が「小矢部営農センター」として設立し、2代目の父が平成5年に法人化しました。今は、私を含む7名の従業員で、水稲をはじめ、大豆や麦、リンゴ、ネギなどを栽培しています。ファーマーズショップで販売しているにしんの糀漬や米糠漬、味噌などの加工品は妻と母と祖母が担当し、豆腐は父が作っています。

小さい頃、農業にはどのようなイメージを持たれていましたか?
 小さい頃はお年寄りの方々ががたくさん働いていたので、ワイワイと楽しい雰囲気の中で手伝っていました。なので、農業には楽しそうなイメージがありましたね。

小さい頃から就農しようと?
 そうですね。長男なので、小さい頃から、いずれは継がなければならないと思っていました。それに、農業そのものも好きな方だったので。学生時代は勉強よりホッケー中心で、高校は商業科に進学しましたが、卒業後、東京農大に進みました。

今は何の担当を?
 基本的に従業員はみんな同じ作業をしていますが、個人的には田植えの時のオペレーターを任されることが多いですね。

就農から4 年経っていかがですか?
 水稲は1年に1回しかできず、まだ4回しかやっていないので、技術面がまだまだですね。やりながら覚えていくしかないかなと思っています。本当は水稲の作業を全部覚えられたらいいのですが、色々ありすぎて覚え切れていません。これからは、父や従業員の方々に頼らず、自分の考えで作業をしていきたいなと思っています。

ご両親と一緒に働くようになって、ご 両親に対する見方が変わりましたか?
 父は自分の知らないところで色々なことをしています。自分がそこまでできるかどうかを考えると、すごいなと思いますね。尊敬しています。母もすごいですよ。もともとは銀行員だったのに、体力も気力もあるので。

これまでに農業から得たことは?
 農業に限ったことではありませんが、人 とのつながりを大切にすることを学びまし た。お米を買ってくださる人たちを大切に していかなければならないと思うようにな りましたね。同業の先輩方に対しても、そ う思っています。

お客さんと直接触れ合う機会は?
ネギをはじめ、糀や豆腐などは、道の駅でも販売。 これまでに福野の里芋祭りや小矢部の農業祭などに6回ぐらいは参加しています。お客さんとコミュニケーションをとれるいい機会なのですが、加工品の説明をするのが苦手でして。対面販売は難しいなと思いますね。でも、そこからまたお客さんが広がっていくので、イベントなどに参加してお客さんと触れ合う機会を持つことは大事だなと思っています。

小矢部青年農業者協議会はいかがですか?
 すごい先輩方に会えるいい機会です。 仕事のことを相談することもありますね。 ただ、皆さん、知識も経験も豊富なので、 話についていけないこともあります。なの で、自分自身がもっと経験を積まないとい

農業をしていて良かったなと思うことは?
 米でも大豆でも、芽が出てから刈り取り までが長いじゃないですか。その長い時間 をかけて育てて収穫することに、やり甲斐 を感じます。また、カモシカやタヌキ、リス、 イタチなどの動物と会えることも、ちょっ とした喜びですね。

新しくチャレンジしたいことは?
 県からの勧めで、今年から妻と2人でラズベリーを作ることになりました。ラズベリーはほとんどが輸入なので、この辺での栽培は珍しいと思いますが、小矢部の気候でも大丈夫だと思っています。卸先も決まっています。

新規に就農する方にメッセージを
 ちょっと前まで農業ブームがありましたが、働く場所がないからと軽い気持ちで始めるのは、あんまり良くないなと思っています。ある程度の覚悟を持って始めてほしいですね。大変な部分もありますが、やり甲斐がありますし、自然と触れ合えますし、いいところが色々ありますよ。

■現在の経営状況(平成23年)
水稲 65ha
大豆 22ha
ネギ 0.5ha
リンゴ 50ha
加工約 8種類


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