わたしの体験談
氷見から世界へ、さらなる高みを目指して
氏 名
年 齢
就農地
就農年次
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田向 俊(たむかい しゅん)
34歳
氷見市
平成21年
【法人就農】
― 現在の経営の概要を教えてください。
SAYS FARM(セイズファーム)の農地面積は約9haで、そのうちワイン用ぶどうは3.5haほどです。
他に食用ぶどう、桃、りんごなどの果物、野菜、ハーブや花なども作っています。
氷見の素晴らしさ、この土地の恵みを広く知っていただきたいという思いから、ワイナリーやレストラン、宿泊施設などを経営していまして。
全部で26名ほどのスタッフが働いています。
― 就農までの経緯を教えてください。
神奈川の大学に進学して、卒業後も神奈川で飲食店の仕事をしていました。
でも平成21年に氷見の実家に帰ってきて、最初はSAYS FARMではなく、親会社のほうにアルバイトで入ったんです。
そしたら当時のオーナーに、ここに来てやってみろと言われて。
その当時まだワイナリーはありませんでしたが、3〜4千本のぶどうの木がすでに植えてありました。
その景色を見た時に、すごいな!と思って。ぐっと心をつかまれました。
ちょうどその年に、ここで初めてのぶどうが収穫できたんです。
そのぶどうを長野県のワイナリーで委託醸造することになって。
私も一緒に長野に行き、2年間ワイン醸造の技術を学びました。
― まったくのゼロからワイン作りを始められて、ご苦労もあったと思いますが。
平成21年からワインを作り始めましたが、氷見のワインなんて認知度が全然なくて、最初はまったく売れませんでした。
もうどうしようと思ったくらいに。
それで、やっぱりまずは知ってもらわないと…ということで、日本ワインコンクールに出すことにしたんです。
そうしたら平成24年にメルローが奨励賞、平成26年にシャルドネが銅賞を受賞して。
さらにその翌年にはサクラアワードという、日本女性による審査会でもゴールドをいただいて。
それで一気に、どんどん売れていくようになりました。
― 今年の日本ワインコンクールでは、ついに金賞を受賞されたんですよね?
嬉しかったですね。今回金賞をいただいたのはシャルドネなんですが、 今までこの部門は、長野・東北・北海道などのぶどうの名産地がずっと金賞を総なめにしてきたんです。 そこに今、ようやく北陸が入れたので。
― 今後の目標や抱負は?
やっぱりやるからには、お客様にまた飲みたいと思ってもらえるワイン、日本だけじゃなく、世界のお客様に感じてもらえるようなワインを作ることが目標です。
だからこれからですよね、どんどん気候が変化していく中で、私達も順応しながら栽培していかなきゃいけない。
そしてこの土地に適した品種、適した育て方をもっと見定めないといけない。
まずは、今栽培しているアルバリーニョという品種がいいワインになりそうなので、もっと増やしていきたいですね。
― これから就農を考えている方へのメッセージやアドバイスを。
きっと何かしら思いを持ってスタートされるんでしょうから、それを大事にしてほしい。
ただやるのではなく「いいものを作りたい」という気持ちを持ってほしいですね。
農業は大変ですが、高みを目指す気持ちがあれば楽しくやれますし、また思いを持たなければ、いいものは絶対に作れません。
私は今、一年がとても早く感じますし、またその一年一年が記憶に残るような日々を過ごせています。
ぜひ皆さんにも、農業を通して充実した人生を送ってほしいですね。