家のご飯が1番旨い!そんな米作りを

氏 名:宇川 純矢
年 齢:37歳
出身地:小矢部市
就農年次:平成17年



宇川農産は家族経営ですか?
 そうです。自分と両親でやっていて、妹が手伝いに来ています。農繁期は近所の方に手伝いに来ていただいています。

役割分担は?
 父が全般を仕切っていますが、資材関係の量の把握や発注量などの計算は自分がやるようにしています。以前に務めていた会社では、経理とコンピュータ管理の仕事をしていたので、申告は全部自分でやっています。あとは機械作業と無人へリのオペレーターですね。

1度会社に入られていたのですね。
 専門学校を卒業した時は、両親が農業をしていましたが、「社会勉強と嫁探しを兼ねて会社に行け」と言われまして。で、会社勤めの間は家を継ぐ気が全然なかったんです。「家を継ぐぞ」という意気込みで会社にいても面白くないじゃないですか。「ここに骨を埋めるぞ」ぐらいの気持ちで頑張っていたので、仕事も面白かったですし、充実していたんですけど、そろそろ就農という話しが出た年に父があばら骨を1度に5本折ってしまって。それを機に会社を辞めることにしましたね。

農業の勉強は実際に作りながら? 
 そうですね。自分は学校では経営の勉強ばかりだったので、農業は今も勉強中って感じです。その年その年で状況が変わるので、なかなか身に付いていないですね。聞いたことがそのまま事が進むかといったら、進まないのが現状でして。

宇川農産のお米の特徴は?
 特別なことはしていませんが、土づくりには力を入れています。できるだけ有機質にはこだわって、堆肥や資材などは結構試していますね。

販売方法は?
 7割が農協で3割が直売です。直売というのは、お米屋さんに卸しているということなんですけどね。量が1度にたくさんはけて手間をかけなくていいというのが魅力だったので。インターネット販売を試したこともありますが、手がまわらない時期があるじゃないですか。1人張り付けるぐらいならできるかなと思いましたが、難しいかなということでやめました。

お米作りの方向性は?
 これからはマーケティングだと思うんですよ。どこにいくらのものを誰にどれだけの量を売るかってことを考えて、マーケティングに添った土作りをしていくことが大事じゃないかなって。今は栽培方法は全部同じなんですけど、それではコストばかり上がっていくと思うので、ニーズに応じた米作りを考えていかないと。でも、今がビジネスチャンスだと思うんですよ。他との違いを明確にすることに力を入れてやれる時期じゃないかなって。堆肥の散布や自然乾燥の設備、色彩選別機など、他と差別化できるようなことを色々やっているので、それを理解していただけるようなお客様を一生懸命見つけようかなと思っています。

今、力を注がれていることは?
 富山県で自給率100%を超えているのは養鶏の卵で、そのうちの70%が小矢部市で作られているんです。なので、それと絡めて飼料米を転作にできないかと一生懸命話を進めているところなんです。飼料米を作って鶏糞を田んぼに散布してという、循環型農業を。ゆくゆくはクロスランドで“ギネスに挑戦”ということで、世界一長い出汁巻き卵を作ってみたいなと。

目標は?
 この間から経営理念を勉強していて、“家に帰ってきて食べるご飯が1番旨い”ということを経営理念にしようと思っているんですよ。自分たちが旨いと思ってたくさん食べて、自分の子供たちにもたくさん食べさせて大きくなれよと言えるものを提供したいっていう。将来的には法人化して会社にしたら、誰かに会社を譲ってハワイに移住というのが、経営構想なんですけど(笑)。

新規に就農する方にメッセージを
 頼りになる先輩がたくさんいるので、困ったことなどがあれば、先輩に相談してください。ライバルではありますが、仲間でもありますので。 

■現在の経営状況
 麦 約11ha
水稲 約45ha
大豆 約31ha

■将来の経営構想
・朝ご飯1杯しか食べなかった子供が2杯食べる米づくり


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